玄蕎麦は大きさごとに選別され、そば殻と丸ヌキに分けられます。
蕎麦の実について
玄蕎麦(げんそば・玄そば)
そばの種が蒔かれてから、収穫されたままの実を玄蕎麦と呼びます。そばの種は玄蕎麦そのものになります(玄蕎麦を蒔いて玄蕎麦を収穫する)。
丸ヌキ(ぬき実・ヌキ実・抜き身・剥き実・そばの実)
玄蕎麦の外側の黒い皮の部分(そば殻)を取り除いた実を丸ヌキと呼びます。
黒い殻をそば殻(そばがら)と呼びます。そば殻は主に枕の原料に使用され、そば殻枕と呼ばれ昔から親しまれております。
製粉工場内の工程
玄蕎麦から、丸ヌキ、そば粉になるまでの当社の製粉工場の一連の流れを紹介します。
1.貯蔵する
生産農家から届いた玄蕎麦は低温恒湿倉庫内で貯蔵されます。保管容量は240屯。1年を通して室温17℃、湿度50〜60%に保たれます。
2.玄蕎麦を磨く
石取り機、ゴミ取り機、研磨機を使って石やゴミを取り除きます。機械内のブラシの間を通すことで玄蕎麦の表面に付いている土などを払って綺麗にします。
磁力を使ってゴミを除外する機械も通します。挽きぐるみで使用する場合は精度の高い研磨機を使います。
3.粒を揃える
次の工程の脱皮機で効率よくそば殻を剥くために粒揃機を使って分別されます。粒揃機は、目の粗い複数のふるいにかけられ大きさをそれぞれ揃えます。
4.そば殻を剥く
脱皮機を使って玄蕎麦をそば殻を剥いて丸ヌキにします。上下から挟んだ石臼の隙間に玄蕎麦を通し、こすり合せながらそば殻を剥きます。石臼の隙間は玄蕎麦の直径よりも少し狭いためにそば殻とぬき実が分けられます。
5.大きさで選り分ける
前の工程で脱皮機に通した玄蕎麦は「きれいな丸ヌキ、そば殻、割れ、剥けなかった玄蕎麦などが一緒に出てきます。それらはシフターという機械にかけて4種類の大きさに分けられます。
6.重さで選り分ける
前の工程で4種類に分けた粒は重さによって8種類の粒に分けられます。下から風を送るアスピレーターという機械を使い粒の重さで分けられます。
7.色で選り分ける
玄蕎麦から丸ヌキへの最終工程となります。6までの段階で選り分けられなかった粒を色彩選別機で分けます。色彩選別機は例えば白い丸ヌキに混じっているそば殻の黒をエアーガンの原理でピンポイントに一瞬で飛ばす機械です。
8.丸ヌキの出来上がり
次の工程で丸ヌキは、石臼製粉機またはロール製粉機によってそば粉に挽かれます。
石臼製粉機による製粉工程
石臼製粉機とは文字通り石臼を内蔵した機械です。石臼の歯型には様々な形状の彫り込みを入れ、上下から噛ませることで蕎麦の実を挽きます。写真のように職人たちは蕎麦の実の状態に合わせて彫り込みの微調整をしています。
回転する石臼から少しづつそば粉が挽かれて出てくる様子。一つの石臼で一度に丸ヌキを99%の歩留まり率(※)で挽くことができますが直径50cmサイズの石臼で1時間あたり2kg程度しか生産することができません。石臼挽きは時間がかかる分、たくさんの石臼製粉機の台数が必要となり現在の130台という台数に至っております。
※歩留まり率とは、投入した原料量から出来上がった割合のことです。
蕎麦の実の特性や納品する蕎麦屋さんのお好みに合わせ、宮本製粉では130台を超える多種多様の石臼製粉機を設置してきました。
石臼挽きによるそば粉
ロール製粉機による製粉工程
歯型の異なるロール製粉機に順番に通すことによって各工程で粒度の異なるそば粉を徐々に細かく挽いていきます。宮本製粉では歯型の異なる複数台のロール製粉機が稼働しています。
1Bロール機によるファーストブレイク。
最初の工程では丸ヌキを四つ割りの状態に砕きます。
最初の工程で四つに割られた丸ヌキは大きさごとにそれぞれ分岐されます。一番大きい塊は2Bロール機へ送られます。
2Bロール機は歯型の形状が異なります。
1Rロール機にて綺麗な顆粒状に仕上げます。
仕上げるそば粉にもよりますが繰り返しロールを通すことによって粒子を徐々に細かくしていきます。粒子が細かくなり粉雪のようなパウダー状になったそば粉↓
ピューリファイアーと呼ばれる機械では粗く挽き割にした顆粒を比重とふるいにかけ、重さとサイズによって分類し甘皮などの繊維質部分を取り除きます。さらしな粉(特1F)を挽く時に使います。
ロール製粉機によるそば粉
以上のように石臼製粉機、ロール製粉機で仕上げられたそば粉は宮本製粉の商品となって当社と信頼関係にあるそば屋さんへ届けられるのです。
石臼製粉機、ロール製粉機、それぞれ特徴があり、どちらかが優れている、劣っているという訳ではありません。冷たい蕎麦、暖かい蕎麦、手打ちなのか?製麺機なのか・・・各々が目指す蕎麦によってそば屋さんがどう使い分けるかが大切なポイントになります。
そば粉のことならどんな些細なことでも宮本製粉へご相談ください。
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